日本茶販売 高野園

高野茂さん

目次

「深ぼりインタビュー」記念すべき第1回目は、「日本茶卸売り・小売業 有限会社高野園」のご店主、高野茂(たかのしげる)さんにお話を伺ってきました。

インタビュー vol.1 高野園 高野茂さん

お店:有限会社 高野園
業種:日本茶卸売り・小売業
話を伺ったひと ご店主 高野茂さん

有限会社高野園とは

先代であるお父様が終戦直後に友人から譲り受けた日本茶の販売からスタート。
真骨頂である独自の合組(ごうぐみ・ブレンド)を生かした、さまざまな味わいを楽しめる日本茶のほか、茶道具、海苔の販売など。いずれも日常品から高級な贈答用、専門店向け業務用品など幅広い取り揃え。
練馬銀座本通りの本店・事業部のほか、板橋区の成増店、東久留米市の滝山店がある。

高野園の場所 : 練馬区練馬1-23-2

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お茶で一番やっちゃダメなこと
もう一度教わる日本茶のキホン

お茶のいれかた : ダメをやってる人が多い

お店を訪れると、いつもすぐに日本茶を出してくださる高野さん。

インタビューのこの日も、あたたかい日本茶を出してくださって、にこやかに話し始められてすぐに出てきたのは、こんな言葉でした。

一番やっちゃダメ

いつもどうやってお茶を入れてます? 沸騰したお湯をそのまますぐに急須に? 実はそれって、一番やっちゃダメなことなんですね。

お湯は、だいたい80度ぐらいがいいですね。と言っても、いちいち計るのは面倒でしょ?

冬だったら、まず、お茶碗にお湯を注いで、それをすぐに急須に入れて、また、お茶碗に戻すのが、美味しく飲める方法ですね。

(インタビュアー: 私の祖母は、そのやり方でお茶を入れてくれました。それは、お湯を冷ますっていうことだったんですね。)

そうですね。湯のみで1回温度が下がって、急須でもう1回下がる。2段階下がるんですよ。だから、ちょうど、お茶が美味しく飲める温度になる。

湯飲み茶碗も暖まってるから、なかなか冷めないので、ゆっくりお茶を楽しめるんですよ。

冷蔵庫はダメ

(インタビュアー: お茶の最適な保管場所を教えてください。)

僕は、日常的に使う分は冷蔵庫に入れるなって言ってます。お茶は乾物なので、常温が一番。茶筒にいれて、部屋の中でも、上の方が室温が高いので、下のほうに。

今は持っている人は少ないだろうけど、やっぱり、茶箪笥(ちゃだんす)がいい。

木製で、引き出しがいっぱいあって、合理的に作られている。お茶といっしょに、茶道具や、他の乾物も保管できるし。

長期保存するときには、冷蔵庫で保存するといいですね。

お茶のいいところ : 体にも地球にもやさしい

口臭がなくなる

NHKの人気番組「試してガッテン」で、お茶が歯周病の予防になるって、紹介されてましたよ。寝る前に、歯を磨いて、粉末茶でうがい、または、飲むだけ。

口の中にはたくさんの菌がいて、お茶が口臭の原因にもなる歯周病菌をやっつけてくれる。一週間で、口臭がなくなった人もいるらしい。

変なもので菌を殺すよりも、お茶のカテキンで、穏やかに健康になれるっていいですよね。

また、粉末茶には、お茶の葉っぱの崩れた部分が含まれるから、繊維が摂れる。そうすると、腸内にも、とってもすごくいいんですよね。

畳が爽やかに

日本茶というのは国内でエコに循環している商品としては最高ですよね。

お茶は、生産者の土地で作られ、我々のようなお店で売られ、お客さんが消費します。その中でほとんど廃棄物は出ない。全部が循環しています。

我々は、こういうことをもっと意識しないといけないと思いますね。

最近は減ってるだろうけど、畳の掃除をするときに、少し乾燥した出がらしの葉を使いますよね。除菌にもなるし、においも吸収して、畳が爽やかになる。

僕なんかは化学製品はあまり使わないほうがいいなと思う。使っていくと地球が汚れるんじゃないかなってね。

食べれる

(インタビュアー: お茶は食べることができるんですか)

5月に静岡の牧之原でお茶摘み民宿があります。そのときに、摘んできた新芽を、びゃっと天ぷらにして食べる。

お茶は草じゃないから、木の芽っていう感覚で、それは十分ありですよね。香りもあるし。

小学校のお茶の入れ方教室(食育)の授業では、3回使った後のお茶の葉を、小さいお皿にわけてやって、梅酢(梅の入ったポン酢)をたらして食べさせてます。

「お茶より美味しかった!」なんて言う子がいるくらい(笑)。

高野さんの衝撃的なルーツ!
こんな人からお茶を買いたい

先代と高野さんの進路探し

ところで、こんな高野さんが、このお茶の仕事に関わるようになったのは、いったいどんなきっかけや経緯があったのでしょうか?

「お前、謝ってこい」

親父が初代でね。戦争で負けて仕事がない時に、狭山の中島飛行機の工場の友達が、お茶の葉を分けてもいいよって言ってくれたのがきっかけですね。

4~5人に日当と電車代を払って、ずだ袋って言って、40~60キロ入る麻袋をサンタクロースみたいに背負って静岡に買いに行って、自転車で売って歩いて。

戦後でみんな仕事がなくて、多いときは家族含めて働いている人も一緒に、13人ここにいましたね。

だから、僕が使ってやってんだっていう態度なんかすると、親父が怒りましたね。すぐ、お前、謝ってこい、そんな言葉使っちゃダメだって。

それで、ごめんなさいって番頭さんに謝りに行って。食べ物も何もかも一緒で平等にって教育されました。だから後の見習い時代も苦にならなかったですね。

内緒で買った切符

高校は早稲田実業で、ブラスバンド3年間やって楽しかったですが、当然大学行くものって皆一生懸命の中で、私も勉強してはいたけどどうしようかと。

年が明ける頃、親に内緒で京都行きの電車の切符を買ったんです。お寺でも見て息抜きして、違う社会を見て考えようってね。

親父には、出発の前の日にいきなり、明日この電車に乗って京都に行ってくるから、と切符を見せてさ。

そうしたら、お前が1人で行っても、誰も信用してくれないよ、と。いざという時のためにって、身元証明を一筆書いて判子を押して持たせてくれたんです。

偶然たどり着いた、運命のお店

それは新幹線ができた次の年、昭和40年。

新幹線ではなく急行の「六甲(ろっこう)」で向かった京都で偶然にたどり着いたのは、今を運命づけるかのようなお店でした。

お前のほうが怪しい

京都に着いて、交番に行って「怪しくないところ泊めてもらいたいんですけど」って相談したら「お前が怪しい」って言われましてね(笑)

学生服着て、数日分の着替えを入れた大きなバックで行ったから。それでも、平等院の前にあった旅館へね、今日は休みだけどまあ行ってみなって言われて。

女将さんが出てきて、お休みだけど、家族が入るようなお風呂と、ありあわせのものだったらあるからって、泊めてくれました。

ご飯食べている時に、1人で来たのって話になって。お寺を見て、できたら何か人として勉強できるようなところを見てみたいって言ったの。

そうしたら、翌日、タクシー乗って10分位行ったところを、こういう所があるから行ってみなって紹介されたんですよ。

たまたまだった

雨の中、旅館から番傘借りてタクシーに乗って行って、降りてみたら、そこはお茶屋さんだった(笑)

たまたま。僕は、お茶屋とも言っていない。人を勉強したいと言ったら、宇治の初代議長さんが辞めたばっかりでそこに居るからと、紹介されたんです。

着いたらその人が帳場にいて、奥の事務所にお客さんが上がって話したりしている中で、10時から3時半ぐらいまで足崩さないで正面に座ってました。

まともに取り合ってもらえなかったけど、お茶屋さんならとりあえず役には立つなって思って粘って。諦めちゃうのは簡単だけど、帰るに大変だから。

勉強したいんです、使ってもらえませんか、ってね。最後には、お昼をご馳走してくれて「あんたはだあれ」って本気で僕に尋ね始めた(笑)

手伝ってみるか

何かうちと関係あるのって話から始まって、親が東京でお店をやっている話をしたら、取引先があるかと確認されてね。

取引先に確認の電話かけて、そしてそこから親父に電話かかってきて、お宅の息子は何やってんの、どこにいるのって。

親父は、息子は昨日どっか出て行ったよ。何かあったら身元証明書を持たせたから、それ持ってりゃ間違いないだろうって答えたみたいなんですよね。

そしたら、お前、それを出せって言われて。お茶屋の息子だってとこまで全部話が繋がって、今度は、見習いは簡単じゃないよっていっぱい言われました。

最後には、そんなに言うなら少し勉強してみるか、手伝ってみるかって。見習いとして採用になりました。

日本一の茶問屋での見習い修行

「電車賃が途中で切れたら、歩いて帰ってきてもいいよなって雰囲気で」数日分の宿泊の準備だけして行った京都。

茶問屋さんに入った高野さんの見習い時代はどんな風だったのでしょうか。

帰省はお正月だけ

東京には、次の年の正月にしか帰ってこなかった。2年目の4月に先輩たちがいなくなって、僕が住み込みでは筆頭になりました。

新しく手伝いが2人増えて、1年間勉強したことを教えさせられたんだけど、みんな素人で、自分も半素人で、なかなか言うこと聞かなくてね。

教育しないと、仕事が進まないから、おべっか使ったりしながら、大変でした。

2年目過ぎて、僕はお礼で半年いるつもりの時期に、ある日いきなり親方に、お前、朝宮(あさみや)行って泊まりで二番茶揉んでこいって言われました。

信用されて

朝宮って滋賀県で、信楽と宇治の間で、車で2時間近くかけて、山を越えて行くんです。そこへ泊まりで行って勉強してこいと。

言われたとおり行って翌日の夕方、帰ろうとしたら、「高野君ね、今晩信楽でお祭があるから、もう一晩泊まって行けよ」って言われたの。

私は使われている身分で、自分で勝手に予定を変えられないから、もしも良かったら親方さんから電話して頂けるとありがたいんですけどって言ったんです。

京都の工場の人は、働き手が1人欠けるから文句言ったみたいだけど(笑)いいよって言われて、2晩泊まりになりました。

毎年、厳選して採る見習いの中で、泊りで勉強に出て、もう一晩泊まっていけって言われたのは初めてだそうで、姿勢を信頼してもらえたのかなと。

日本一の茶問屋での学び

(インタビュアー: 京都では、どんなことを勉強したんですか?)

まず最初は、お茶を仕上げるということですね。粉を抜いたり、荒っぽいのとか粉とか、芽茶とか混ぜたり。仕立てとも言うんです。

お世話になった丸久小山(マルキュウコヤマ)は、昔は小山元次郎商店って言ってたんですけど、そこはお抹茶日本一で、極端な話、特殊なんですよ。

宇治ではお抹茶も扱うけど、普通の茶問屋と違って、丸久小山はお抹茶のウエイトがすごく大きくて、製造場も持っているんです。

その中で、お茶っ葉を蒸して乾燥させて、葉脈を取って、ブレンドする。材料は単一の味や状態じゃないから、これはこの商品にと単純に決める訳じゃない。

色んなものを組み合わせてバランスを取って、商品として味を作り上げる。そう考えると、お茶屋の仕事は、合組(ごうぐみ・ブレンド)ってことなんですね。

若い人たちに伝えていきたい
お茶の楽しみ方と、こだわり

これが日本茶の本当の価値

京都での見習い期間を終えて、東京の高野園に戻った高野さん。

そこから何十年もお茶に関わってきた今思う、日本茶とは、について伺いました。

顔色見ながら

昔の茶のみは、何かつまみながらゆっくりだべって、そういう時間そのものがとっても良かったんですよね。

それから、お茶が高い安いじゃなくて、お茶を飲みながらコミュニケーションする場を作ることの大切さですね。

農家だったら、表を通った人に「お茶でも飲んでいかなーい?」って声をかけて「ちょっと忙しいから、ごめーん」とか「じゃちょっと寄っていくか」って返事して。

そういう風に相手の顔色見ながら状況を察したり、温かいお茶を一緒に飲みながら、ゆっくりコミュニケーションを取るという部分ですね。

そこが、お茶のみというのは、文化的にもすごく大事な要素だと思いますね。

日本茶の価値

日本茶を飲むということは、そういうふうに、結局、飲む機会と飲む時間に価値があると思うんです。

今は、美味しいお茶菓子や和菓子があった時に、やっと日本茶を飲むという感覚で、食の中の一部になっていて、飲むことを楽しむ部分は評価されてないですよね。

紅茶やコーヒーなんかの洋物は、飲むことを楽しむ人が多いけれど、日本茶は飲んでることすら意識しないで、ただ喉に流し込むだけで、楽しむところまで行かない。

(インタビュアー: 普通になりすぎちゃっている)

そう。例えば税務署員が来て麦茶やお茶を出しても接待にはあたらない、そういう概念があるんですよ。当たり前すぎてそういう形になっていったんでしょうね。

メリハリを

東京の人は忙しいんですよね。関西の人は、忙しいのは忙しいけれど、時間を取るときはゆっくる取るんです。そこが違うところですね。

普段は安いお茶なんですよ。本当に。だけどお客さんが来ると精一杯のおもてなしをする。だからすぐ帰っちゃダメっていう感覚で、玉露やお抹茶を入れたりします。

そのためにはいつも準備もしていないとできないことですから、普段からおもてなしについても考えて準備するから、すぐできるんですね。

東京だと、すぐ帰るかな、どうかな、なんてお互い考えながら、普通にお茶を出すか、ペットボトルのお茶でしょ。

それはもてなしじゃないって考えるほうがいいのかなって思いますね。

子連れのママさんも、気軽に立ち寄って

高野さんはどんなふうに日本茶を楽しんでもらいたいとお考えなのか、日本茶の今後について、また最近の抹茶人気についても伺ってみました。

いつもと同じ値段で

子連れのお母さん達にも気軽にご来店頂きたいですね。専門店っていうのは入ったら買わなきゃいけないってものじゃない。お茶飲んでまた寄ります、でいい。

若い人にお茶を出すと美味しいねって言うけれど、自分でいれて飲まないのは、普段、家庭の中で接触するタイミングが非常に少ないんだと思うんです。

それから、スーパーマーケットの中で買い物を全部済ませるのが今のスタイルで、お茶屋にわざわざ立ち寄って、一品買うっていうのは面倒なのかもしれません。

普段、そういうお店で買うお茶と同じ価格の商品を、ここで買ってみてくださいねって言っています。

茶専門店で4月5月の本当に品質のいい一番茶と、もっと後に収穫する二番、三番の形の良いだけのお茶とは、味と香りのふくよかさが違うかなと。

どんな相談にも応えたい

今は、できあいのものしか口に入れないっていう傾向が強いでしょ。お茶も手をかけずにね。

そういう完成品をっていうのは非常に難しいけれど、どう応えようかっていうのも、向かい合わなきゃいけない課題だと思う。

インスタントティーをこういう風に扱っているのも、寝る間際に湯のみや急須を片付けるのが嫌って言うお客さんの声に応えたいと、こちらが近づいた結果なんです。

それから、プレゼントにも贈りやすい、喜ばれやすいアイディアは?と考えて、自分で包装袋も探して、プチギフトセットを作ったり。

あそこ行くと、相談したら何でもやってくれるよっていうお茶屋にしていきたいんですよね。

抹茶が人気

抹茶って言うのは、基本的には玉露仕立てなんですよね。玉露っていうのはタンニンが増えない。だから普通のお茶よりさらにまろやかで苦味、渋みがないですね。

玉露は、さましで適温にして急須で入れてとなるけれど、抹茶の場合は、玉露仕立てなのに、お湯を注いでかき混ぜてすぐ飲める。とっても手軽ですよね。

日本人は抹茶は高いもの、高級品っていう先入観が強いけど、海外の人はまずは飲んで、美味しいねと味や素材を直に評価するから、人気なんでしょうね。

(インタビュアー: 例えば子供なんかには飲ませてもいいものなんですか)

タンニンが少ないからお子さんでも飲みやすいですよ。ミルクにいれるなんていうのもいいと思いますね。

高野園ならではのこだわり

語感が似ていて勘違いしやすいお茶の違いや、高野園さんの幅広い品揃え、独自の工夫など、高野園さんのこだわりを伺いました。

似て非なり

粉末茶って言うと、抹茶も粉末も粉茶(こなちゃ)も同じと思われがちですけど、3つそれぞれ出来上がる原理や品質が全く違うんですよ。

抹茶は石臼で熱をかけず丁寧にひくから粒子が違う。粉末茶はグラインダー等の機械や圧をかけたりしてお茶をつぶした状態で作ります。

粉茶は、製造過程で壊れて落ちたお茶がアミから落ちたもので、わざわざつぶす粉末茶とは状況が違って、それぞれ味わいもぜんぜん違いますよね。

特に石臼は、一番いいお抹茶なんて1時間に20g、中級品でも40~100gしかできない。静電気の起きない鳥の羽を竹の棒につけた刷毛で石臼から丁寧に落とすんです。

抹茶の業務用大量注文が入ると、部門外の私らも徹夜で見て周った経験ですとか、ただ物を売るのと違って、現場を知って違いをしっかりお話できるのは楽しいですね。

商品構成の工夫

商品棚の商品は、隣同士でお茶のブレンドの傾向を変えてるんですよ。普通、お茶の業界では、同じ傾向で品質ごとに並べていくんですけれど、そうじゃなくて。

例えば青臭いお茶と、火の強いようなほうじ茶みたいなものとを、交互に品質と価格を1段ずつ上げると、同じ傾向で1つ上になると実際は2段階上のものになる。

そうすると、味わいがはっきり変わるから、100g100円変わると、これはちょっと美味しいなとか、お客さんも味が判りやすいでしょう。

ただ産地の仕切りに任せて売るんじゃなくて、自分で材料を合わせて考えて、お客さんに喜んでもらうっていうのは、商売では一番大切だと思いますね。

メーカーから直に

それから、鉄瓶なんかも窯元から取ったり、何でもメーカーから直に取り寄せます。この南部鉄器は一番いいものは、名人、伝統工芸士の逸品なんですよ。

鉄がお湯に触れるとお茶が美味しくなるんです。化学変化ですね。鉄瓶の外側の地肌のボツボツした突起が小さいのは量産型。とはいっても安くないですよ。

お茶屋の贈答品もね、昔は価格は積み上げ方式で、商品、箱、袋、と積みあがっていくんですが、デパート式に決まった価格ごとにしてカタログも作りました。

積み上げ式だと価格がお客さんに判りにくいですからね。あとは組み合わせも融通利かせて、詰め合わせの品を1つ変えたら差額で対応したりね。

やっぱり、時代に合ったものの考え方をしないといけないと思いますね。

ここでしか買えないお茶がある

商標登録がある「ねりまみなみちょうの花摘(はなつみ)」は、香りや味も穏やかな感じなんですね。パッケージもそれに合わせてね。

平成つつじ公園のある場所は、昔カネボウの工場があって沢山の女性工員がいて賑やかでね。その当時の華やかな雰囲気を出したオリジナルのブランドですね。

「ねりまみなみ町」というのは、現在の練馬、桜台、羽沢、栄町の地域の旧名なんです。この商品は、ねりコレにも載りました。

取り扱いは、今は自店だけですね。滝山店(東久留米市)と、成増店(板橋)と。他で出すなら、別商品って考えないといけないしね。

お客様が通い続ける理由
高野さん50年間の取組み

お茶屋に来て、お茶飲まないの?

お子様づれの若いお母さんたちにもっと飲んでいただきたい、お茶を中心としたコミュニケーションの場を大切にしたい、と話されている高野さん。

そのために、高野さんはお子様向けにも画期的な取り組みをされてきています。

ほっこりするために飲む

小学校や教育関係に授業でお茶の入れ方をと働きかけて、初めて組合公認でやらせてもらったのが定着して、今50校位、支部運営の力で予算を取れています。

予算は人件費で消えるんですけど、一度授業をした学校は毎回希望がでます。組合から出してるお茶の本もあげて、レポート書く時使いなさいって話して。

社会科見学では、物を貰ってはいけないそうなんですけど、お茶屋来てね、お茶飲まないのって(笑)お茶はほっこりするために飲むんだから。

それぐらいしないと、話できませんよって先生に言いますね。飲まないで美味しいですよ、こうですよって言ってもわかりっこないですよね。
家の中でも、冷蔵庫からできあい品を出して注いで、ではなく、親が少し手をかけたものをって認識を受け継いでいく子供さんがいることを願って、そうやっていますね。

お茶で学校が静かになる

家庭科で先生にリードしてもらう課題では、授業でお茶をいれて、その後宿題を出すんです。

一煎だけ家で家族にいれてあげて、そのレポートを家庭科授業のあとに提出させます。

それには全部いいことが書いてある。おじいちゃんが喜んだ、おばあちゃんが喜んだ、またお茶をいれてやりたい、って書いてある。

喜ばせたい、自分がやったことで喜んで貰えた、またやりたい、そんな心が芽生えることで、学校の中がおとなしく静かになるんですね。

どうぞと言うのも授業

授業でお茶をいれるときに、自分1人だけでいれるんじゃなくて、2人とか3人で組みになってやるんですね。
組になってやると、どうぞ、とか、ありがとうとか、そういう言葉を発しますよね。それも授業だと思うんです。

そうすると、何をやっていても、そういう相手を思いやったり感謝する意識が少し芽生えるんじゃないかな。

結果にもそういう成果がきちんと書いてあります。

だから、周りの大人が言ってあげて、配慮や知識を添えてあげないといけないんだと、僕は思いますね。

町、店、組合で、細やかな取組み

また、他にも高野さんは、まちで、ご自身のお店で、そして組合でと、さまざまな場所で、細やかな配慮をしながら、取り組みを続けられているそうです。

すぐ覚えられる

まちゼミを通して、すぐにお客さんに繋がらなくても、全体の層を広げていけるかなと考えています。参加者さん同士で情報交換しているのも聞きますし。

これは参加者にあげる商品です。ねり丸の画像使用許諾が毎年必要で審査も厳しいけど、商標登録があるから許諾が取れるのかなと考えています。

まちゼミのいいところは、コツを実際に教えるから、わかりやすくて覚えてもらえることですね。

一煎目は手を10回叩いてからお茶碗に移しましょう、二煎目は5回にして、それで間を考えましょうっていうデモンストレーションなんですよね。

そうやって伝えられるのが非常に違うかなって思います。お茶とか入れた時のタイミングとか、温度とか、それを見てやるんですね。

一煎目は手を10回叩いてからお茶碗に移しましょう、二煎目は5回にして、それで間を考えましょうっていうデモンストレーションなんですよね。

そうやって伝えられるのが非常に違うかなって思います。お茶とか入れた時のタイミングとか、温度とか、それを見てやるんですね。

手作りで伝わるものを

(インタビュアー: 自分でお茶をいれる機会が少ないから、さらに、お茶が遠くなっている人もけっこういるんじゃないかなと思うんです。)

僕は、こういう、A5版でね、お茶の入れ方のチラシを作っていて、お渡ししているんですよ。さっと見れるように。

こういったプリントや、店に張り出すポスターなんかも、自分の手作りで作っています。

手作りだと、見る人、もらった人に伝わるものが違うかなって思いますね。

茶の魅力づくり

地味なね、茶って書いたら全部判断できる商売に見えちゃうけど、本当は違うんです。経験から話せることが沢山あるから、気軽に聞いて欲しいですね。

業界の展示会なんかでは、組合会員に呼びかけて、会場でどんどん接触してって話しますね。展示会がにぎやかにならないと業界が伸びないから。

産地の人も沢山来るから、過去の慣習に囚われずに、どんなお茶があるか知るだけでもいいでしょうって話をするんです。

名刺交換すれば、お互いに用事ある時に立ち寄ったりできる。産地の人にはそうやって口説いて、組合会員にはいろんなの見なさいって言うんです。

お客さんにお茶を楽しんでもらうには、業界全体も活性化させて魅力を作らないと。そういう活動を止めたら立ち行かないですよね。

高野園のお客様の声

高野さんに、やっていてよかったと思う瞬間について伺いました。たくさんあるそうですが、最近のものをいくつかお話し頂きました。

また、ちょうどインタビュー中に来店されたお客様にも少しお話を伺いました。

ねりコレで気になって

花摘とねり丸とねりまみなみちょうっていうのは、商標取ったり、使用許諾を取っているので、世間に押し出してるポイントなんですよ。

この間の日曜日の晩に、富士見台に住んでいる方が「ねりコレで見て気になって」と、多分7時回ってから来店されたのではないかと思うんですが。

その日は用事で外出していたりということで、店が早く閉まっていたかもしれないです。もう一度来て下さった。

「何時までやっているんですか」って質問が来て、ご来店されて「そうですか、良かったー、今日は」と言って、お茶を買ってゆかれました。

こういうねりコレみたいな媒体に対しても真摯であるべきだし、安いうまいじゃなくて、商品のいわくもしっかり載せないといけないって思いますね。

他県に引越しても

(インタビュアー: 最近やっていてよかった、と思ったのはどんな時でしたか?)

最近、最近「ねりまみなみちょうの花摘」(ねりコレ)を、茨城の古河へ引越しした方が、わざわざ買いに来て下さったことですね。

古河は電車1本ですけれど、片道1時間ぐらいはかかりますから。

半世紀通ってます

インタビュー中に、たまたまご来店された女性のお客様がいらっしゃり、高野園さんについて伺ってみました。

(インタビュアー: いつも利用されているんですか?)

お客様: はい。私はここの近くで、もう何十年も、半世紀にわたって利用させて頂いています。

(インタビュアー: 今、花摘をお求めになられて。高野さんのところのオリジナルですね。)

お客様: いつもは、この隣の商品なんだけど、この間花摘を買ったら、美味しかったから。いいかなって。

高野さん: 香ばしいからね

(インタビュアー: ご近所にお住まいなんですか。)

お客様: すぐ近くです。

(インタビュアー: 突然すみません、どうもありがとうございました。)

(インタビュアー: じゃあ、だいぶ長く練馬に住まわれているんですか。)

お客様: もう、半世紀。

(インタビュアー: じゃあ、住まわれている間は、こちらにずっと通っていらっしゃるんですね。)

お客様: そうです。

とても親切でにこやか、相談しやすく、お客さんの側に立って判りやすく質問に答えて、こちらの今の生活に合わせておすすめして下さる。

単なるお茶屋さんのご主人ではなく、幅広いご経験と専門知識で柔軟に提案してくださる、日本茶アドバイザーという印象の高野さん。

単に飲み物に留まらず、お茶を囲む時間から生まれる、本当のコミュニケーションや豊かな暮らしを、時代に合わせて提案するお姿がとても印象的でした。

粉末茶のいれ方はインスタントと同じでお湯を注ぐだけ。違いはお湯を少しさます点だけで、忙しい方にもピッタリなお茶が昔からあることに驚きました。

内側が白いマグカップならキレイな色も楽しめて、今日からすぐに美味しいお茶を日常的に飲めるんだと判って、日本茶がぐっと身近に感じました。

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