染織工芸あさひや

野尻勝治さん、すみ江さん

目次

「深ぼりインタビュー」4回目は、「染織工芸あさひや」の野尻勝治(のじりかつじ)さん、すみ江(すみえ)さんにお話を伺ってきました。

※掲載写真内は参考商品となります。

インタビュー vol.4 染織工芸あさひや 野尻 勝治さん、すみ江さん

お店:染織工芸あさひや
業種:呉服業
話を伺ったひと 野尻 勝治さん、すみ江さん

染織工芸あさひやとは

練馬駅北口から徒歩2~3分。高級呉服から趣味のきもの、帯、浴衣、和装小物、和雑貨、和小物など、アイテムも価格帯も幅広い取り揃えです。

洗い張り、生洗い(丸洗い)、しみ抜き、染直し、サイズ直し、お仕立物など何でも相談でき、販売だけではなく、ご主人自ら染めの勉強をしてきていらっしゃることもあり、幅広い知識とご経験から的確なアドバイスをして頂けるのが安心のお店です。

どんどん商品をおすすめされるのではなく、お客さま自ら尋ねるまで、のんびりと見せて頂けます。

染織工芸あさひやの場所 : 練馬区練馬1-23-2

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60年前の良いお着物を大切に受け継ぐ
判断も作業も神経を使うお直し

インタビューのためにあさひやさんに伺った日、ちょうど、お祖母様から孫娘さんへ3代に渡って受け継ぐために預かった、60年前の振袖のお直しが終わったばかりでした。

60年前の振袖を3代に渡って着るために

一度お預かりして職人さんに相談

今ね、60年前の振袖を預かってるの。元は白地だったんだけど、全体的に染みが広がって取れないので、染みが隠れるぐらいの色のベージュで、煮染め(にぞめ)で全体を染めて。

(インタビュアー : 色がくすんじゃいそうな、青い色のお花の部分もありますが、ベージュで全体を染めてもこんなに綺麗に色が残るんですね。)

一度預かって、職人さんとどこまでできるか相談して、お客さんのご予算の中でできる方法をおすすめするんです。

本当は、引染(ひきぞめ)にしたかったけど、そうすると高くなっちゃうから。

お祖母様が着られた振袖を、娘さんが着て、それを今度お孫さんが着るということで預かった振袖なんです。

その位古いものでも、色変えとか、柄のところがくすんでしまったらそこだけ色を差すとか、刺繍の糸が切れたとか言うのでも、生地の状態がよければ再生ができるんです。

こういう場合は、お直しの料金としてはだいたい12~13万円位からになるね。染め方によって違うし、加工やさんの値段の変更があるからね。

購入当時に(小物などを含め振袖一式)セットで30~40万位のものだと、そういうのは60年ぐらい過ぎちゃうと生地が持たないね。

あれも染みを全部は落とせなかったの。全部落とそうとすると液が強いから穴が開いちゃう。落ちるところまで下洗いして、それから染めに入って。

怖いですよ、やるときは。やってみないと判らない。生地の状態を見て、腰が持つかもたないか慎重に判断して、無理な時はお客さんに連絡してお返しします。

(インタビュアー : それぐらい古いものはよくあるんですか?)

30年ぐらいのはよくありますよ。

そのほかに、体型が変わったから幅を出してとか。つぼめてっていうのはないけど(笑)

素材が良いものを選び、良い保管をしながら着ることで、数十年後でも着ることができます。

丁寧な手作業での染み抜きと染め直し

染み抜きもやればいいっていうものじゃなくて、薬が強すぎたり、やりすぎると穴があいちゃうから、どこまでやっていいかを見ながら判断するんですね。

シミが落ちきらない時は、それが目立たなくなるぐらいの色をかけるんです。

今は染め直しって言っても、今ある色を脱色しないで、上にそのまま新しい色を染める色かけがほとんどですね。

持っている着物が派手すぎるとか、地味すぎる時に、色をかけて色を染め替えるんですね。そうすればまた着られます。手作業ですよ。染まり具合を見ながら。

カビやシミでダメになったと思った黒い留袖

形見の黒い留袖がカビとシミだらけに

形見の黒い留袖が、閉めっぱなしのところで保管していたら、カビだらけになってしまって、色もシミで変わってしまってるのをお預かりしました。

職人にも見てもらったら、これはいけるんじゃない、ということになって。

そこから解いて綺麗に染み抜きして、染め直しして、仕立て直ししましたよ。新品のように綺麗になって。

お客さんには、ダメかと思っていた、と言ってとっても喜ばれていました。

染み抜き、染め替え、染め直し、仕立て直し

染み抜きや染め替え、染め直し、仕立て直しだとか、どれでも僕がこれはだいたいこれぐらいやればできるなって判断できたらお受けするんですね。それでなおかつ、お直しの場合は、加工やさんに出す時に、穴があいちゃまずいから一応テストしてもらって。

結果がOKの場合はそのままやって、OKできない場合は連絡をしてもらって。そうしないと、穴空いてからお客さんに電話したんでは弁償ですよ。

化学のりは、あれは後が大変ですよ、完璧に取れないんです。染め直しの時は、生地に糊がついちゃっていて、落とすと結局生地が傷んじゃうんです。ヘタしたら穴があいちゃいますね。

そういうことがあるから、展示品として、自分の作品として作りながら研究してきたわけです。気に入った方がいらしたらお譲りするという形で。そういう加工を一通りは全部やってきましたね。

着物の保管について

着物は、皆さん傷んでからお直しでお持ちくださるんですが、本当はちゃんと虫干しして、風を通していただいて、保管をきちんとして頂くほうが、いいんですよね。

手間もかからないし、余計なお直しの料金もかからなくて、そのほうがいいんですよ。

干すなら時期は10月ごろの乾燥している時期か、土用干しのカラッと湿気のない暑い日だね。

日にあてちゃダメだよ、着物ハンガーにかけて陰干しでね。

専門店のクリーニング、納得の品質

丸洗い・生洗いは手作業で

今は昔と違って、お着物を丸洗いができますからね。といっても機械じゃなくて手洗いですよ。丸洗い、は生洗い(えきあらい)とも言うんです。

昔は何でも、糸を全部解いて洗い張りしなきゃいけなかったんですけど、今は解かなくてもお着物のまんま洗えます。

着る機会も昔ほど多くないから、そんなに汚れないですしね。

クリーニング店と専門店の実際の違い

何でこんなに高いのって言われるんです。化学繊維のものとかウールのものを洗うのとは違いますから。

呉服店のクリーニングというのは、生地の種類や状態に合わせて洗う、保障がある和服のクリーニングなんです。責任のある仕事に徹するということですね。

和服の生地は、例えば一越(ひとこし)系、緞子(どんす)系、縮緬(ちりめん)系とかいろいろあって、裏は羽二重(はぶたえ)、裾回しがまた違う生地なら、そのつりあいをとって綺麗に洗うわけですから。

ウールくらいのものは、どうぞクリーニング屋さんのほうが1000円前後でできてお安いですからっておすすめします。その代わり、浴衣は糊付に気をつけてくださいね。

絞りの生地のものだけは出さないで下さいって言ってます。絞りの山がなくなって返ってきちゃいます。絹のものは、高いですけど専門店にお持ち下さいって。

綿の絞りは自分で洗ったほうがいいんだよ。それで、アイロンはいらないです。半乾きになったら巾を整えながら自然乾燥したほうがいい。日光には当てないほうがいい。絞りは着心地が軽くていいんだよね。

クリーニング店のアイロンでダメに

綿の絞りは、蒸気当てるとすぐ伸びちゃうんです。それでアイロンなんかかけたら、ピーンとまっ平らになっちゃいます。

「こんなに幅が広くなっちゃったんですけどー」って言って持って来た方もいらっしゃいますよ。クリーニング屋さんでアイロンで伸ばされて。

全部解いて、仕立て直しましょうって言って直しました。少しは縮ませられるんですけれど、全部元通りには無理ですから、幅を詰めてお仕立てし直すんです。何件かそういうのありましたね。

絹の絞りもある程度は伸びるので、裏にゴースを張るんです。肩の伸びるところとか、おしりとか、肘のへばれるところとか。振袖なんかは全部。絹のゴースを網の目のような薄い透けるような生地を裏からとめていくんです。

自分で実際に染めまで勉強した
ご店主に伺う生地や染め、仕立てのお話

黒地の素敵な総絞りのお着物をきっかけに、絞りを始め後染めや先染めの染物の話、反物の生地のお話、海外と国内での仕立ての違いなどについて伺いながら、沢山の種類の中から、ほんのいくつか反物をピックアップして見せて頂きました。

和服生地や柄について

● 総絞り(そうしぼり)

これが絞りですね。最近は、品物が本当にないんです。もう絞っている職人さんなんてほとんどいなくなっちゃったんじゃない。

(インタビュアー : これは手作業なんですか?)

そうです。機械の場合は、絞りの模様が、波のように揃ってます。そういう模様の入り方は機械。(機械で生地をつまんで、その先端に糸を高速で巻きつける)

手で絞る場合は、ここに図案を書いて、それの真ん中をつまんで引っ張って、手で糸を巻きつけるんです、1回から2~4回巻きます。いろいろな巻き方があるわけですね。

つまんだ山が高くなっていれば巻きが、回数が多いってことね。この振袖は2回ぐらいでしょう。

更紗(さらさ)

別の柄だとこういうのもありますよ。これは更紗(さらさ)です。更紗もすごく手が込んでいるんですよ。

版画みたいに型を使って染めるんですけど、その型を100枚ぐらい使うものもあります。

(インタビュアー)そんなに沢山使うんですか。

そうなんです、色と模様の種類の数だけいりますから。たくさんいるんですよ。少ないのでも40枚位は使いますね。

絣(かすり)と藍染(あいぞめ)

これは何かわかりますか。これは久留米絣(くるめがすり)。福岡の久留米で作ってるのね。みんな産地の名前がついてるんです。藍染の綿ですね、伝統工芸品ですよ。

同じ藍染でも、こっちは長板(ながいた)、無形文化財なんです。両面別の模様が入っているんだよ。

(インタビュアー)一枚なのに両面に違う柄が入っているってすごいですね。

すごく難しい技術を使ってるんです。好きなほうの柄で仕立てて、飽きたら仕立て直すときにもうひとつの柄にしたりもできます。藍染も本当に沢山種類があるんですよ。

こっちの絣は横絣(よこがすり)だね。縦横どっちも絣だとものすごく高級品になるんだよ。横絣は、横糸だけ先に染めて絣にして、縦糸は無地だから、こっちはそんなでもないよ。

単に色をつけることではない、奥深い「染め」

引染(ひきぞめ)

染めは、織る前に先に染めるのを先染め(さきぞめ)、織った後に染めるのを後染め(あとぞめ)って言うんです。

染め方にも種類がありますね。ご注文の内容や、直しなら預かったお着物の状態を見て、どの方法がいいか考えます。

刷毛染め(はけぞめ)は、われわれは引染(ひきぞめ)っていいます。手作業で染めるんです。引染のほうが技術も時間もいるから料金はかかりますね。

長いところで生地を引っ張って、刷毛を使って染料で染めていくんです。簡単に言えばそういう染め方です。

煮染め(にぞめ)

煮染め・釜染めの一例

釜染め(かまぞめ)や煮染めっていうのは、染料を溶かして煮ながら溶かしていくわけ。こう垂らして。

それをしながら、山をずらしながら、こうやってまた垂らして。ムラになっちゃうからね。それで空気に触れされて。もちろん、ちゃんと浸透液も入ってはいるんです、生地によっては浸透しない部分がありますから。

色のあがり方っていうのは、生地の安いものはやっぱりそれなりの色にあがってきます。生地のいいものを使うと、色のこっくりとしたいい色にあがります。やっぱり素材によってね。

無地染めが一番それがでますね。同じ釜に入れて、目方が600gぐらいのと、700gぐらいの目方ものを一緒に染めるんですが、色が全然違いますね。同じ色に染めているんです。

織り方とか、生地とか、糸の質とか、で違うんです。良質な糸のほうが綺麗な色がでます。それだけ繊細ですね。

時間をかけて独自に貯めた色見本

色だしするときは、頭の中で計算して、ちっちゃい色見本を3つぐらい組み合わせするんです。それを加工やさんに持っていってこれが何%、これが何%って組み合わせて指定を出すんです。色に深みがないと、もう1色か2色足して。

見本帳の白い背景のままだと、明るく見えてしまうでしょ。これは色がわかりいいように使います。

あとは生地の端切れとか。生地を持ってきて「こういう色に染めてください」って言われればそれにあわせて染めたり。お客様の端切れなんかも頂いておいて、それを使ってもやります。

染やさんにいくと、色見本はもっとたくさんあるよ。染めやさんで、筆で生地にピッピッと色を置くんですよ。それをもらってね。それを組み合わせして、この色をメインに、別の色を何%でって頼む。これを覚えるまでが大変です。

糊と湯のし、地色の染直しと柄色さし

湯のし(ゆのし)って言って、最初に反物の糊を洗い落とすんです。

地色を染め変えるとき、染めるところを糊で全部ふせてから地色を染めていくんです。それで後で糊を落として、この地色に合う色を友禅で入れたりするんです。

これは逆の方法ってできないんですね。地色がどういう色にあがるかわからないから。地色が決まってからそれによって柄の花の色を決めていかないと、色のバランスが悪くなっちゃう。

手描友禅染(てがきゆうぜんぞめ)

この間テレビでもやっていましたよ。台の下に穴があいていて下から乾燥させながら、上に張った生地に描いていく方法もあるんですよね。にじまないようにわきに糊を塗ったり、見ていたら気が遠くなりますよ。

水に通すと消える紫色の染料でえんぴつで描くように下書きをするんです。糊をふせるところはふせて、地が染まってから水洗いで糊を落として。そうすると描く形が残りますよね。そこのところに色をさしていくんです。

12mの一枚の生地を着物に縫い上げる仕立て

ミシン仕立てと手縫いの仕立て

浴衣とかウールの、一重(ひとえ)もののポリエステル系の反物ですと、背縫い、脇縫い、おくみつけっていうのは、ミシン縫いして、あとは全部手で縫うという方法がありますね。それで仕立て代をお安くするんです。

手縫いとミシン縫いの違いは、全部手縫いのものはあまり詰まったりとかしないですね。ミシンだと縫い目のところがピクピクとつれてくるというのはありますね。

生地の話

われわれは国内産のものしか扱わないけど、たまたま外国産が入ってくるときもあるんです。値段の差がかなりあってもお客さんが外国産は嫌だって言うと、われわれも扱えないですよね。

例えば大島紬(おおしまつむぎ)だと、安いのは中国とか韓国産とかいろいろあります。

国産でも生地の品質とか模様の細かさ、模様のそろい具合でいろいろあるけれど、40~50万からみないと、いいのがないですね。

着る機会が少ない今は、長く着られる寸法で

若い時は見栄を張って細く作るんだけど(笑)、子どもが大きくなって更年期になると、女の人は腰とか体型が崩れてくるので、お仕立てするときに「少し幅を広く取ったほうがいいですよ」ってアドバイスするんです。

一番綺麗に着れるのは、その人の寸法なんですけれど、体型が変わってから直そうと思うと、二度手間になりますよ。着方で調整できますから、ちょっと余裕を見て作っておいたほうがいいです。

昔はなんでもかんでも、解いて洗い張りして仕立て直ししました。でも今は着物のまま洗えますし、昔みたいに毎日着ているんじゃなくて、着る回数が少なくなっているから。

応用の利く幅で作って、その時々の体型に合わせて着ていただいたほうがいいんじゃないですか。

選択の余地はなく、練馬での開店しかなかった
20年かけて何でもできる呉服屋に

どうして練馬で開店されたのかお尋ねしたら、経験と知識がぎゅっと濃く詰まった現在のあさひやさんが出来上がるまでの、興味深い意外なお話が伺えました。

仕事がなかった

ラジオの機器の工場へ

幻想的な柄が美しいお着物に、流線形の模様が上品な帯を合わせて展示されていました。

(インタビュアー)どうして呉服屋さんを選ばれたんですか?

仕事がなかったの。就職口があの当時はなかったの。学校もぼくらは中学校で終わりだったからね。高校なんて行けると思ってなかったから。

最初は大阪に行ったんじゃなかった?

そういえば1年行ってたね。福井から大阪へ出て。工場で、ラジオの部品を作ってた。だけど将来性がないと思って1年ぐらいで辞めて。

ところが就職口が全然ないんですよ。探さないで先に辞めちゃって、見つからなくてどうしようってなって。

おじさんが東京にいて、印刷物をやっていたんです。値札のタグの。話をしたら、呉服屋さんで欲しいって言う人が居たよっていうことになって、紹介してもらったのが亀有のお店。

おじさんの紹介で 実はお父さんも染めの仕事

(インタビュアー)もしかしたら、紹介先がパンやさんだったら、パンやさんになってました?

なってたと思いますね(笑)

(インタビュアー) それまでは、呉服に興味はなかったんですか?

もともと、戦死した親父が染めの職人だったんです。直接この業界に入る気はなかったんだけど。母親も全然言わなかったし、親父はどういう人だか全然知らなかった。

写真だけあって、これはお前の親父だよって言われるけど、「あっそう」って。これしかないんだよね。納得する部分が何にもないんだから。

この業界に入ったのは何でだろうねって聞かれるけど、何でだか判らないよね。だけど、やる以上はとことんやったほうがいいだろうと。

開店するなら練馬しかなかった

先輩たちや師匠と被らない場所へ

いろいろ探したんだけど、練馬しかなかったんだよね。私は先輩が店を出す頃にけっこういて僕を入れて7人いて、今は3人欠けて4人残ったの。

呉服屋っていうのは古い考えだから、持った店を中心にして、半径何キロ以内は入らないでくれとか、そういう規定があったんだよ。

でも、そんなことを言ったら出すところなくなっちゃうわけ。そこを中心にして30キロ以内は入らないでって言われると、練馬は入っちゃう。私が勤めていたお店はそういうところでしたね。

勤めていたのが亀有だから、練馬は電車で1時間以上かかるからいいか、ということになって。断りをいれて、許諾を得てここにお店を出したんです。

正確に言うともっと先にいかなくちゃいけなかったんだよね。そこをなんとか納得してもらってね。当時は良かったかもしれないけど、こういう時代になると、地方じゃ仕事にならないですね。

練馬にも8件、今はあさひやさんだけ

ここにきたときは、このへんに全部で呉服やが8件あったんだよ。この通りだけで2件あったんだから。それでも当時はやっていけましたね。

結局一番の新入りが一番最後まで残ってることになるね。お店出したのが昭和48年。もう44年だね。当時28歳で、呉服屋で20代なんていうのは、若すぎて始めは大変でしたよ。

今は、この業界は、伝統工芸士の人たちも若くても40~50代で。関わっている人の数はどんどん減ってるね。日本の民族衣装だから完全になくなる、ということはないと思うけど。

織物は織っている人がとても少なくなってきているから。特に新潟なんか機(はた)やさんがみんな辞めちゃって。

地震の後はさらにね。だからよけい希少品になって、お値段もすごく上がっちゃいました。

20年かけて何でもできる呉服屋に

他の呉服店はやらない染めまで勉強

お客さんは、どこまでやってくれるかを見る。だから僕らはお客さんのかゆいところはとことん手が届かないと、納得して頂けない。だから染めまでやらなきゃいけなくなったの。

勤め先で経験はなかったんだよ、僕の先輩たちは全然そういうの経験してないね。あるものを売っているだけだったから。僕は12年勤めたけど、独立してから染め加工を勉強したんです。

染めを全然判らなくて呉服売ってたら、お客さんに「こうなったんだけどどうしたらいいのかしら」って聞かれてもアドバイスできないでしょう、自分で経験していないと。

自分で染めながら、染め加工やさんに行っていろいろ聞きながら自分で染めたり、お客さんのをどうやったらいいんだろうと聞きながら、勉強しながらお客さんの注文を取ったりしてきてね。

野尻さんの目に適った商品が、季節に合わせて店内に展示されています。

職人とやり方を話し合うことも

自分の作ったものを、このぐらいの感じだったら、あの人に合うなというのを作って、お客さんに提供するという形でやってきました。だから15~20年かかったね。

今は、職人さんも昔よりずいぶん減って、だから逆に、こちらがこれをこうやってこうすればできるんじゃない、と職人さんとやり方について話し合うこともありますね。

そうやって仕事をやってもらうってこともありますね。

今は染職人さんが年を取ったり、染める仕事が少なくなって辞める方が多いですね。


インタビューの続きは、2017/5/31に公開予定です。「練銀メンバー」になると、更新のお知らせがメールで届きます。

4.幅広くなった、今のお着物の着方、楽しみ方
 ご相談が多い着物のリメイクやリフォーム

インタビュアーから見た 染織工芸あさひやさん

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