美容業 ヘアーグリップ

石山長司さん

目次

「深ぼりインタビュー」第6回目は、「美容業 ヘアーグリップ」の代表、石山長司(いしやまちょうじ)さんにお話を伺ってきました。

インタビュー vol.6 ヘアーグリップ 石山長司さん

お店:ヘアーグリップ
業種:美容業
話を伺ったひと 石山長司(いしやまちょうじ)さん

ヘアーグリップとは

白い外観が印象的な美容室、ヘアーグリップ。お客様が日常でブラシを使わず、指でカンタンに形を作れるようなヘアースタイルを第一に考えた、さりげないスタイルが得意なヘアサロン。

健康的な美しい髪の毛を考えておすすめしているヘナカラーや、目元をはっきり魅力的にみせる、熟練施術者によるまつ毛エクステの格安施術も人気です。

※価格はインタビュー時のものです。

美容業 ヘアーグリップ : 練馬区練馬1-20-5

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白髪はもちろん、全身の老化を防ぐとか
販売より喜ばれることをして差し上げたい

「うちで売っているんですよ」と言われてびっくりした、普通、美容室では売っていなさそうな "あるもの" 。理由を聞いたら、ヘアーグリップさんらしさがうかがえる、興味深いお話に納得でした。

白髪はもちろん、全身の老化を防ぐ

毛細血管に注目

人間60歳ぐらいから以降は、毛細血管が使わないからだんだん退化してなくなっちゃうんですよね。

そうすると足が痛いとか、ひざが痛いとか、末端が冷えてくるとかっていうのが必ず出てくるらしいんですよ。

人間の老化っていうのは、毛細血管の欠如って言われているらしいんですよ。

たとえば白髪がでるのとか、たるみがでるのとか、そういったものも、毛細血管がそこまで栄養と酸素をうまく運んでいない部分があるんですよ。

ロングペッパー(コショウ)

人間は栄養素を腸で吸収して、血管に流れて、血管の先から毛細血管までばーっと行くらしいんですね。それを助けるのがそのロングペッパーっていうやつなんですよね。

ヒハツっていったり、沖縄ではピバーチとかっていうんですけど、これは3つとも同じもので、呼び名が違うらしいんですよ。他にシナモンとかしょうがにも、ピペリンて言う栄養素が入っているんですよ。

それを1日1ミリグラムぐらいずつ、摂取していると毛細血管を再生していく作用があるんですよ。

白髪も、頭蓋骨と頭皮の間に毛細血管が入り乱れてそこから栄養をとったり、髪の毛を伸ばしたりとか、メラニン色素を作る場所があるんですけど、そこに栄養を与えていると白髪が黒くなったりとか、白髪になりにくくなったり、抜け毛にもいいんですよ。要は老化を防いでいくってことなんですよね。

商品の販売より喜ばれる情報を教えたい

(インタビュアー : そういう話を聞いちゃったら買いますよね)

ところがね、売ってないんですよ。関西、沖縄のほうにはわりとあるらしいんですけど、関東にはあまり流していないって言うんですよね。ネットでも、在庫切ればっかりなので、今うちで、お客さんに350円で出してるんです。

端数の10円も儲かっていないんですよ。それを差し上げてもいいんですけど、もらった方が気兼ねするんですよね。なくなったら、またありますよっていうことで。だからほとんどサービスですね。

メーカー側には、ヘア関連製品を店で販売しなさいって勧められるんですけど、今はネットで同じようなものが安くでてるんですよ。小さい美容室が月に20~30本売ったって、ある意味たかが知れているし。

それよりもいろんな情報を教えてあげたほうが、お客さんが喜んでくれるんじゃないかなって気がするんですよね。だから、そういう本当にいいものなのに、売っていないようなものは売るんです。

お客さんが家に帰ったときが勝負

美容師の腕自慢ではなく、お客様が自分でいかにヘアスタイルをつくれるかを大事に考えていらっしゃる石山さん。ご自身は飽きっぽいとおっしゃられていましたが、美容師を長く続けてこられた理由とは・・・?

お客さんが帰ったときがある意味勝負

基本は、お店に来るときれいになるけど、家ではこんなにならないよっていうのは、今でももちろん聞くんですけど、わりとそういう方は多いですよね。

それって何か変だなって昔っから思っていて。染めるのはともかくとして、何のためにカットしたりとか、美容のそういうのをやっているのかなと。自分の腕自慢みたいな感じじゃないですか。

そうじゃなくて、来たお客さんが帰ったときが、ある意味勝負ではないかなっていう。

昔から、美容学校からしばらくしてぐらいからそういう感じでしたね。

美容師になったきっかけ

(インタビュアー : もともとはどういうきっかけで美容師さんになろうと思ったんですか)

高校出て、父親が行っている、大手の会社に入ったんですけど、たまたま父親と同じ範囲のところだったんですよ。

入ったとたんから嫌で嫌でしょうがなくて。基本は父親のコネで入ったんですけど、だけどそのコネの顔を丸つぶしにして、4月に入って、まあ1月まではいなくて結局12月の20日ぐらいまでいたんですかね。

で、その後考えたんですね。各種学校案内書みたいなのがあって、それを見ながら、美容でもやるかみたいな感じで。ぶっちゃけそんな夢があったとかじゃくて、スッと何でもやっちゃうほう、やめちゃうほう。根性がないんでしょうね。

(インタビュアー : 根性があるから17年もやっていけるんでしょう。気がついたら長くやっていたという感じなんですか)

ほんとそうですよ。

お客さんの反応が一番うれしい

(インタビュアー : 何かやって面白いから、気づいたらそこまでになっていたっていう感じなんですか)

まあ、飽きないですね。基本的にはお客さんが喜んでくれるとうれしいのは当然ですけど。

大体シャンプーから入っていって、ヘルプやってとひとつずつ進んでいくんですけど、どんなに長く一生懸命やってもできないとかなら、多分くじけちゃうと思うんですけど、そういうのが意外となかった。

1つできるとお客さんや先輩が褒めてくれたりとか。そうすると、自分ってもう少しいけるのかなって。そうしてまた次って、その繰り返しで現在に至っていますね。美容師というか技術者、職人みたいなのはみんなそうなんじゃないですかね。

で、実際にやってみてお客さんが、うん、いいぞって言わない限り、いいか悪いかわからないじゃないですか。やっぱりその方の反応が一番うれしいんじゃないかなと思うんですね。その辺が今までつながってるような気がしますね。

できることは別に何でもやって差しあげたい

長くかかわるお客様との関係は、美容室としての一般的な仕事のイメージからはかけ離れたサービスまで、いつの間にか広がっているそうです。

同じように年を取って

昔はどっちかって言うとお客さんに甘えていた部分も当然あったんでしょうし、お客さんから色んなアドバイスとかって形で、ものじゃなくてもいろんなものを頂いていたわけですね。

だんだん年とってくると、お客さんも同じように年取っているんですよね。僕より上に。そうすると何か温かい言葉とか、うちは、外に階段が2段あるんですけど、そこでもちょっと手を差し伸べてみるとか、そういうのが自然と逆に今はできるというか。

かといってこのお客さんに17年間ずっと食べさせてもらったとか、そういうプレッシャーは別にないんですけど、ただ今までいろんなことをしてもらってここまできて、もしかしてこの人がここで階段でこけたら大変だよなって思いが自分の中でも出てくるっていうか。

相手に何かしてあげたい。

スマホの使い方を教えることも

ガラケーからスマホに切り替えようとしているお客さんがたくさんいるんですよ。年配の方で。おうちで娘や息子に聞いたりするとケンカになっちゃうので結局はわからない。

ひとつコンセンサスが取れていればいいみたいな感じで。話題性もあるし、それを教えてあげるみたいなのもけっこうありますよね。

できることは別にやって差し上げたい、みたいな。できればできることは何でもっていう感じで。

ネットのお買い物代行まで

お客さんでもネットで買い物するのが、何か怖いっていう抵抗があるじゃないですか。慣れてくれば、そんなに怖いっていう感覚もないし。

新しい通帳を一冊作って1万か2万ぐらい入れて、そこから出入りさせればって言っても、それでも踏み切れない人とかいるんでね。

そういう人はじゃあ買ってあげますよ、何が欲しいんですかって。笑 アイススケートの真央ちゃんが使ってるお布団を注文してあげたりとか。そういうこともけっこうやってあげますね。

頻繁になる白髪染めはヘナがおすすめ
髪の痛み方はかなり抑えられますね

サラリーマンから美容師へ

堅苦しすぎる雰囲気がなく、丁寧ですがとても気さくに接してくださる石山さん。美容学校に入ってから、美容師になるまでのみちのりは、ちょっと意外な経緯でした。

インストラクターに

美容師の人気がすごく下火のところだったんですよ。1クラスぐらいしかなくて。在学中に、代官山にあったその学校がもう運営できなくなって、近くにあった美容メーカーが学校を買い取ったんですね。

結局このメーカーに入社しちゃったんです。2年位いました。萩原宗さんやいろんな偉い先生方をつれて、講習をやったりショーをやったりとか、メーカーサイドの裏方、美容部員のインストラクターでした。

そのころ美容室は6時から7時ぐらいが閉店の店が多かったんですよ。閉店後にお店に行って、黒板で理論から実習まで、自分のところのパーマ液とかカラー液とかシャンプー、リンス、その辺のところのレクチャーですね。

僕らはまだ20代で、40、50の先生方に生意気にも、いや先生、こうやって角度はこうですから、みたいな感じで、もちろん自分のところの製品だけですけどね。それと毛髪理論をお話して夜おそくに帰る生活でした。

カットブームが転機

それを1年半から2年ぐらいずっとやってたんですけど、何かやっぱり、方向違うなって言う感じがあって。萩原さんのショーとか色んな有名講師の方とかを見て、何かしっくりこなかったっていうか。

それまでは、カーラーを巻いてサカゲを立てたり、美容師の技術力で、風が吹いても揺れないスプレーでカチッと固められたヘアスタイルが主流で、切るときもレザーを使っていたんですよ。

そこに、ロンドンのヴィダル・サッスーンが唱えたカット理論で、はさみを使って切る、シザーカットが主流のカットブームというのが来たんですね。すごく新鮮でしたね、頭の中でヘアスタイルを切れるんですよ。

それで今までの技術を捨てて、カットを一からやらなきゃいけないって言うんでやり始めた時から、美容に戻れるような感じになったんですね。それまではどっぷりサラリーマンぽい感じだったんですけどね。

メーカーサラリーマンから美容師へ

(インタビュアー : 美容師さんは学校でてすぐなるんだと思っていました。技術とか知識とか知っているのは強いんでしょうね)

今思うとそうなんですけどね。カリスマ美容師とかああいう感じは当時ぜんぜんなかったですね。

日本の美容自体が下降していて美容師になるのもどうかなーって思っていところに、そういう色んなショーだとか色んな話が出てくると、こういうのもいいんだなって。

それをやるには、お店に勤めないといけないか、海外行かなきゃいけないか、とか何かやらなきゃいけないかとか、選択肢があって。

そうすると当然、一番手っ取り早いのは美容室に勤めるということだって、そこからですね、はじまったのは。

明るい店がいいなって

爽やかな明るさと、白と緑が印象的な店内ですが、美容師さんとして経験を積まれた後、練馬にお店を出すことに対しては、どんな経緯があったのでしょうか、石山さんに伺いました。

なにげなくて分かりやすいスタイル

2000年の11月にオープンして、ちょうど17年経ちましたね。きっかけはごく普通に、お店をオープンという形で考えていました。ここを使っていいよという話になって店舗に改装したんです。

お店の名前の「ヘアーグリップ」は、ヘアーピンという意味です。なにげない、どこにでもある、分かりやすい名前にしたかったんですね。

仕事でもコテコテとしたものより、ブラシなども使わずに、お客様が指でかんたんに形を作れるようなヘアスタイルを第1に考えていて、この店名をつけました。

夜でも明るいな、何だろうなってお店に

(インタビュアー : 今の内装は、その最初の頃からと同じなんですか?)

床とか壁は変えました。一番最初はもっと白かったんですけど。ちょっとベージュに変えましたね。やさしい色に。

最初にこの店作ったときも、やっぱり明るい店がいいなっていう感じでした。明るければそんなに宣伝もしなくても、見えてくれさえすれば何とかなるんじゃないか、って考えがあったんで、あえて蛍光灯にしたんですよね。

遠くから見てもなんとなく、夜でも明るいな、何だろうなっていう感じがいいかなって。それだけで17年きちゃいました。そんなに大した宣伝もしてないですし。

手触りがぜんぜん違う

全体的に、髪が痛まない植物系ヘアカラーに興味が強くなってきているそうですが、特に40代以上のお客様で白髪が気になって、毎月とかもっと頻繁に10日に1度は染めたいという方は、一般的なアルカリカラーだと頭皮や髪が痛んで対処できなくなるので、若々しい健康的な髪のために、ヘナでのヘアカラーをおすすめしているそうです。

40代以上ならヘナがおすすめ

年齢層が高くなると、白髪が多くなるじゃないですか。そういう方は、同じヘナのカラーを使っても、明るくでるんです。そうです、地が白いから。

昔、ヘナって暗いのよね、もう少し明るくならないのかしらって言ってた方が、10年ぐらい経って、何か最近ヘナって色も明るいし良くなったのねって。それは白髪が多くなってきたからなんですよって。

ヘナ自体はまったく変わっていないです。同じ自然の植物ですから。それに少し藍色だとか植物系のものを入れているところもあるんですけど、植物系同士だと、白髪にはきれいに発色しますけど、黒い髪にはほとんどわからない。

その代わり痛まないですけどね。やっぱりケミカルのジアミン系とか何か色素が入っていれば、白髪の部分には色がついて、黒い部分も少し明るく見えるぐらいですよね

痛みが少ないヘナがベースのヘアカラー

(インタビュアー:完全なケミカルのものよりは、ヘナがベースのもののほうが、痛みは少ないんですか)

ぐっと少ないです。たとえば10痛むのに対してヘナだったら1か2、行くかなぐらい。かなりの差がありますね。アルカリカラーの場合、トリートメントや植物エキス配合とか聞きますけど、それは後から髪に浸透して入るだけ。

まずブリーチ剤なんですよ。それがまずその人のメラニン色素を全部分解していくんですけれど。黒い髪の毛を一度ブリーチでベースを明るくした上に色素が入ってくるんですが、シャンプーのたびに少しずつ流れ出ちゃうんです。

1ヶ月ぐらいで色素が退色して流れ落ちて、光に当たるとキラキラしたブリーチの色になってしまって、それを何回も繰り返すと髪は痛むし、頭皮が犯されます。だから多少何か入っていても、ヘナのほうがまだぜんぜんいいですよ。

1番多い感想は「手触りがぜんぜん違う」

(インタビュアー:アルカリのカラーからヘナに変えられた方って、どういう意見が多いんですか)

もうぜんぜん手触りが違うって言いますね。1回目ってだいたい、数センチしか自分の地毛がないんですよね。あと残りは前に染めているところですね。毛先が痛んでる方だと、1回目ではまだカサカサする。

3回ぐらいやれば、手を髪に通しても、もう本当に手触りがぐっとよくなる。それまでに3センチぐらい根元が伸びてヘナだけの薬剤になっていますんで。手触りのよさは、お客さんの口から出る満足感としては一番高いですね。

あとはしいていえば、ヘアスタイルが作りやすくなったっていうのとか。バサバサしてどうしようもなかったのが、何か落ち着いてるわ、みたいな感じで。

まあヘナの場合はほんとうに年配の女性や、髪の毛と地肌、髪が薄くなったと気になさる方には、ぜひおすすめしたいですね。

ヴィダル・サスーン : イギリス生まれのイスラエル人。ヘア・ドレッサーであり実業家。パーマ、セットが基本だったそれまでのヘアスタイルを、カットだけでセットのいらない、現在のヘアカットの基本的な技術となっている「サッスーン・カット」を生み出してヘアスタイルの革命を起こし、美容界に大きな影響を及ぼしました。

萩原 宗(はぎわら そう) : 1970年代にロンドンで学んだサッスーン・カットを創世期から日本に広めました。多数の優れたヘアスタイリストを輩出している国内で一番歴史のあるカットスクールをもち、全国の美容師、理容師の指導や働く環境づくりなどに幅広く貢献しています。

カットブーム : ヴィダル・サッスーンによるレザーからシザー(はさみ)が主流のカットスタイルへの転換がきっかけで盛り上がりました。カットする時の角度で毛先にどの位のレイヤー(段差)が出来るか事前に計算でき、理論的に技術を伝えられるようになったことでさらにブームに勢いがつきました。シザーカットとブローで、風に揺れても元に戻るような軽やかなヘアースタイルが可能になり、さらに軽さを求めて毛先をセニング(すく)するなどのカット技術へ発展し、見た目をさらに軽くとカラーブームへと移っていきました。

若くいられることにつながる
美しい髪の作り方や育毛について

地肌を健やかに。育毛にも

ヘナは、ご存知の方も多いのではないでしょうか?ヘアーグリップさんではヘナでのヘアカラーをおすすめされています。ヘナについて、詳しく伺ってみました。

ナチュラルヘナ

(インタビュアー : 地肌が清潔になるというか健やかになるというような効果もあると聞いたのですが)

特にナチュラルへナの場合には、充分にいえますね。もう本当にベタンベタンにつけるんですよ。けっこう育毛効果とかもあるんです。要するに毛穴に詰まっている脂分とかを取ってくれるんですよね。本当にパックみたいな感じですね。

ヘナ自体はもちろんそういう効果はあるんですけど、逆にアルカリとか、ケミカルの入っているヘナだと、どっちかと言うと避けたほうがいんです。

ジアミンとがが入っているものは、あまり生え際に塗らないようにするんです。ただお客さんはそこが一番気になるからたくさん塗ってと言われるんですけど、そうすると最初にオイル塗っておいたりしても落ちなくなるんですね。

地肌にちょっとでも傷が合った場合に、かぶれる可能性があるんです。そういうことがあるんで、極力地肌にはたくさんつけないんです。

原料が少ないから高い

むかし、川が洗剤で泡だらけになった時期とかあったじゃないですか。だいたい洗剤で泡が立つのは、合成海面活性剤で、それってヘアカラーにも、化粧品にも、パーマ液にも使っていて、浸透力を欲するものにはすべて使ってるんですね。

ヘアカラーなんてほとんど、過酸化水素と界面活性剤で、その1液と2液を混ぜ合わせるときに合成海面活性剤を使わないと、一緒にならないんですよ。シャンプーも油と水を混ぜてやるためには、基本的に界面活性剤なんですよね。

だけど、合成界面活性剤は石油からできている。美容室なんかで出しているのは、どっちかって言うと、とうもろこしとか大豆とかからとっている油の界面活性剤というのを使っていて、原料が少ないから高くなっているんですね。

でもプロパーで出ているのは、どっちかって言うと石油系。その中でどんなシャンプーがいいかって言われると、ほとんど全部一緒なんです。合成じゃなくて、大豆から取っている、界面活性剤って名がついてたら、それが一番いいですね。

ケミカルなヘアカラーの怖さ

(インタビュアー :アルカリのカラーをずっと使っていると、毛根が細くなってしまって元気がなくなるとか、そういう感じなんでしょうか)

今、メーカーさんが何を一生懸命やっているかって言うと、染まりやすく、素人さんが染めてもムラなく、その2つ。ほかに長持ちっていう目的もあるんでしょうけど、染めやすくて簡単にっていうことなんですよ。

そうすると浸透力なんですね。地肌についたら、毛髪にも毛穴にも入っていくんですよ。普通はケミカルが入っていても弱いものは皮膚から中に入らないんですけど、最近のは強すぎて入っちゃう可能性もあるらしいですよね。

そうなると浸透がいいから、地肌と頭蓋骨のあいだの毛細血管まで、入っちゃうこともあるらしいんですよ。で、下手をすると、そこから入っていって、毛細血管から体中に流れて、めぐってしまう。

色素というのはどっちかと言うと発ガン性で、それが入っちゃうと肝臓にたまって、結果的にパンクしちゃうと肝ガンみたいになっちゃいやすいんですね。

ヘナカラーの良さ

特に素人が染められるような、市販のヘアカラーに含まれている成分には、とても注意が必要なんですね。化学成分の多いヘアカラーと、ヘナカラーを使ったときの染まり方はそれぞれどんな特徴があるのでしょうか。

退色しないヘナのカラーリング

うちの場合、髪を染めたい人全体の7割ぐらいがヘナなんです。どうしても明るくしたいって言う場合はアルカリになっていきます。ヘナは今は基本的に6000円ですけど、午前中の、新しいお客さんに限り、半額にしています。

ヘナを染めた人には言うんですけど、ヘナの薬が1回2回だったらまだいいんですけどね、それ以上やっているかたは、アルカリで明るくしたいときに、ならないんですよ。しばらく我慢しないと。

普通に明るい位になるまでには3~4ヶ月ぐらい。毛先のところにヘナが入っていると、逆に退色しないんですよ。アルカリの場合だともっと明るいカラー液をつければもっと明るくなるんですよね。ヘナの場合はできない。

ケミカル系はどうしても明るくしたい時に

ヘナで色が入ってるのはケミカルが入ってますね。それじゃないと、色合いは出てこない。昔からのナチュラルへナで、髪の毛にヘナを塗って一時間とかそのままほっぽっておくみたいなもののほうが、手触り感とかいいですよね。

だけどそれだと時間がかかるし、色もつきにくい。白髪が多い人なんかだと、あれはオレンジになっちゃうんですよね。それはいいと言う人と、絶対に嫌っていう人がいますね。

茶色にして欲しいとか。そうなっちゃうとやっぱりケミカルになっちゃうんです。

白髪じゃない人は、もうヘナは基本暗い色ですよ、黒に近いですよという説明をして、どうしても明るくしたいって方はアルカリのほうでやりますね。

ヘナとケミカル、髪の痛みと問題点

そのかわり痛みますよと。でもヘナの場合は、それと比べると痛まないし、むしろ手触り感も良くなるしつやもでる。長く続ければ続けるほど色落ちもしなくなるし。

アルカリのほうは、色落ちはしないんですけど、退色って色素だけが落ちていくんですね。一回最初にブリーチしてその後に色素が入るんですけど、色素が抜けるんですよ。

だからどうしても染めたときよりも明るくなってきて、光が当たるとキンキラ光る艶のない色に見えるんですね。色がちゃんと入ると、光が当たると、落ち着いた重い感じの深い色になるんですね。でもそれもせいぜい1ヶ月ぐらい。

ヘナのほうは重ねていくともっと長く色落ちしなくなる。ただ、パーマがかかりにくくなるんですよ。髪の毛の中に、間充物質(かんじゅうぶっしつ)というのがあって、ヘナの色素がそこに入ってくっつくから、痛みにくいんですね。

美しい髪を作るには

やはり美容師の方は、美しさとは、というのを徹底的に考えられているんだな、と感じます。石山さんに、美しい髪の作り方について、さらに伺ってみました。

一度痛んだ髪は基本的には戻らない

(インタビュアー : 髪は一度痛んじゃったら、基本的にはもう戻らないじゃないですか。健康で綺麗な髪を作ろうとなったときは、やっぱり地肌からやったほうがいいんでしょうか

基本的にはもう戻らないですね。地肌が一番大切は大切ですけど、伸びてきているところの何もしていない髪の毛は、逆に言えば何もしないほうが一番いいですね。

極端に言えば、地肌だけ綺麗にして、髪には洗ったシャンプーがつかないように。でもそれはありえないですよね。

無添加化粧品ってありますよね。添加物が入っていない。前にそういうものを扱った時に、そこのインストラクターが、うちのこの無添加化粧品ってすごいいいんですよ。でもこれ以上いいものってあるんですよって。

それは、ツバ。これをこうやって猫みたいに顔につけなさいって。それが一番いいって。

地肌を綺麗にすることが大事

(地肌は、汚れとか油を取っておくとか、実際やるときはシャンプーになると思うんですけど、やっぱりそれで清潔にしておくのがいいんでしょうか)

まあそうですね。要は脂分をためないほうがいいです。油って必ず酸化するんですよ。それで過酸化脂質っていう悪い雑菌だとか、ほこりだとか吸い付けるようなものになってくるんです。

そうやって汚れれば、ばい菌の死骸だとかで臭いが発生して、どんどん、地肌がよくなくなってくるわけです。それも綺麗にしておかないと、抜け毛の原因だとかになってくるんですよ。

だからまず地肌を清潔にしておかないと。痛んだ髪の毛は切っちゃってまた伸びてくれば何とかなるじゃないですか。でも地肌はならないですからね。

血流を良くすることが一番若くいられる

体もそうですし、頭もそうですけど、結局こうやってマッサージしていかないと、退化していくらしくて、常に使っていないと機能が低下して、やがて停止していくんですって。

足の先とかを血液がながれないと、えそでしたっけ、切断しなきゃいけくなるじゃないですか。あれ、血液が流れないからそういうふうになっちゃう。

でもあれを今再生医療で、血管の再生医療で血管を作って行くらしいんですね。そうすると血管が伸びていって、そこに血液が流れると、腐ってた親指とかが、また出てくるんですって。

体中の血管の99%が毛細血管らしいんですよ。1%が太い普通の大動脈とか大静脈と---かっていうやつで。ほとんどが毛細血管で、そこにいかに血液を流していくかで、その人が若くいれるのかが変わってくる。

美容室でヘナをする日の準備

(インタビュアー : ヘナをする時は、朝シャンしてから行くほうがいいものなんですか)

まあ、そのほうがいいことはいいんですけど、ただヘナの場合は、染める前にオイルを塗るんですけど、それでも染まっちゃうんですよね。

で、わりと沢山つけても大丈夫ですし。だからたとえば、カラーとかパーマとかでも、リンスとかトリートメントとかは、あまりつけないほうがいいですよって昔は言っていたんですけど、ま、あんまり気にすることはないですね。

普通に洗っていただいて、あまりゴシゴシじゃなくて、ジェルとかワックスをつけている方だったら、それが取り除けるぐらいに洗って、それで充分ですね。もう、普通でいいです。

30代から70代までリピートも多い
格安のマツエクメニュー

大人のまつエクが人気の理由

ヘアーグリップさんでは、まつ毛エクステンション、通称まつエクが人気です。まつエクは美容師の資格がないとできない施術です。まつエクについて施術者の中野さんにお話を伺いました。

目がパッチリ大人のまつエクが人気

今、30代以降、60~70代の方もいらっしゃいます。最初は10代20代からお母さん方に広がって、最近では高齢者の方でも、目元をぱっちりさせたい、若返りたいって言うので。確かに髪を明るくするのと同じぐらいに若々しくなりますね。

(インタビュアー :エクステをされて実際に聞かれるお客様の声としては、どんなことが多いですか)

「目がぱっちりして嬉しい」って言うのと「お化粧が楽」。それが一番多いです。

アイメイクって時間かかりますけど、それがマスカラ、ビューラーがいらなくなって、アイシャドウをぱぱっとするだけで、できあがるので楽ですし、すっぴんでも眠たそうに見えない、というのもありますね。

目元がはっきりして、自分がかわいらしくなったというふうに思うんですよね。気持ちがポジティブになりますよね。

まつエクのデザイン、長さの選び方

(インタビュアー :長さはどうやって決めるものなんでしょうか)

まず、カウンセリングをしてから決めていきますので安心してください。一般的には長いと派手になり、短いと気づかれずちょっと寂しくなりますね。長さは8~13mm、太さは0.05~0.2mm位とかあります。

(インタビュアー :色が入っているのもあるじゃないですか。あれよりはやっぱりナチュラルなカラーを希望される方のほうが多いですか)

はい。カラーエクステのことですね。やはり黒のほうがいいですね。アクセントとして、全部赤とか、全部緑とかじゃなくて、目じりだけ10本ずつ入れるとか、そういうふうに使うと、おしゃれの一貫になりますね。

わりとカラーは、夏とかのほうが合わせやすいかなと思います。

まつエクのメリット

メリットは、まつ毛が強くなることですね。エクステやるからまつ毛が痛むんじゃないかって心配するんですけれど、本当に逆で、ビューラーの方がまつ毛を痛ませるんです。

エクステって結局貼り付けていて永久的じゃないから、生活とともに接着面が古くなって取れてくるんですね。なので、まつ毛自体は、引っ張ったり強くこすったりしてなければ、何もしていない状態だから、しっかりしてきますよ。

産毛にビューラーをしちゃうと結局抜けちゃったりっていうほうが可能性が高いので、それが抑えられてまつ毛が強くなってきたら、まつ毛も健康になりますね。

(インタビュアー : ちょっと目立つようになったりとか)

はい。接着剤はグルーって言うんですけれど、皮膚に直接つけるわけじゃないから、皮膚を傷めることはないですね。速乾性ですぐ乾くので、液ダレも普通は起こりえないです。

お手入れ方法と男性のまつエク

まつエクをした後のお手入れはどうすればいいのでしょうか。もしもすぐに取れたら切ないですし、ケアの仕方を詳しく伺ってみました。

まつエクをした後の注意点

施術が終わったらだいたい乾いているんですけど、つけた当日だけ、安定させたいので、3~4時間洗顔はしないようにしてくださいね。っていうお話をしています。

初めての方は、ちょっと触っただけでも、やっぱりダメなんですかって聞かれることが一番多いですけど、ちょっと触ったぐらいで取れるものではなくて、本当に取れちゃう時って言うのは、目をこするとか、触っちゃうことですね。

後は寝ているときに、枕に顔をつけてこすっちゃうとか、そういうことで取れちゃいますね。

(インタビュアー : エクステをやって、アイラインとかアイシャドーはまたやっても平気なんですか?)

大丈夫です。ビューラーは絶対にダメです。マスカラはウォータープルーフじゃなければOK。アイライナーは少し描いたとしても、やってもやらなくても一緒じゃないかなと思います。

オイルは避けてください

水分では取れないんですよ。温泉とかに入って、色んなものが入ってても大丈夫です。洗顔で目の周りを綺麗に洗いたいときには、普通に何もない洗顔のもので取れるので、アイシャドーぐらいだったらすぐ取れるはずなので。

よくプールとかジムとかに行かれる方に、プールの塩素とか聞かれますが、そういうものとか目薬とかでも、ほとんど取れないです。濡れたらポンポンポンとやさしく拭いてあげればいいですね。

オイルクレンジングはダメなんですね。でも目の周りでなければ、使っていただいても大丈夫なんです。あえて目の周りに狙ってつけるようなことは避けてもらえれば、ちょっとついただけで取れるという感じではないです。

グルーって言う接着剤は、オイルと相性が悪いんですよね。3週間ぐらい経って方向がばらついてきたときに、透明のマスカラとかを使う方がいらっしゃるんです。

そのときにウォータープルーフのマスカラはダマになっちゃうし、それを取るときにオイルが必要ですし、目がパンダみたいに黒くなるとかも、やっぱりオイルじゃないと取れないからなんです。

3Dまつエクもおすすめです

(インタビュアー : 新しくメニューに入った、3D(スリーディー)まつエクは、今までのとどう違うんでしょうか?)

今までは、地まつげ1本につき、エクステ1本をつけていたんですけど、3Dって言うのは、1本に対して3本つけるものなんです。今はやりの最新技術で、負担が少なくてボリュームがつきます。

たとえば1Dで80本なら、まつ毛1本にエクステ1本で両眼で80本だったんですけど、3Dの場合は同じ両眼で80本に対して実際は240本ついて、1D80本の時よりぜんぜん軽いです。軽い分、もちもいいですね。

写真は1D80本の施術中です

今までまつ毛1本に対して1本だったから、地まつ毛がないとつけられなかったんですけど、3Dはまつ毛が少ない人でも、多くつけられるところがいいかなと思いますね。

太いのが好きな方には、細いのでボリューム感は控えめですけど、自然なので取れてもあまり目立たなくて、フサフサのままの感じですね。施術のお時間は、3Dは1時間から1時間ちょっと位は見ていただきたいと思っています。

男性も同じ条件で可能です

あ、男性も受け付けていますよ。同じ条件でやっていますので。男性にひろまった理由としては、営業とかで第一印象を良くするとか、ちょっと目つきとか目元の感じが気になる人が、それを解消するために、というような理由ですね。

(インタビュアー : 整形まではいかないけれど、ちょっと試してみたいというような)

はい。あとはホストの方とか。

新しいものを見ながら、得意なことから伸ばせばいい

まつエクがこんなに格安でできるのは、施術者が子育て中のため、急な呼び出しなどで予約をキャンセルさせていただくことがあるから、それをご理解いただけたお客様に、という配慮からです。「一億総活躍社会の実現」には共感するという石山さん。スタッフさんたちとの関わり方もとてもフレキシブルです。

得手不得手は誰にでもある

結果的に得手不得手というのは、誰でもあると思うんですよ。だから不得手なものを一生懸命やっても、ちょっと良くなるぐらいで。それよりも同じ労力で得意な分野を一生懸命やったほうがいいんじゃないかって、昔から思っていたんですよ。

何人か使った人たちには、もうダメだったらいいよって。結果的に一生懸命やりすぎるからできなくなるわけで、もうほっぽいといて、それよりこっちやろうよ、これお前得意じゃないかっていう感じでそっちを一生懸命やって。

そうすると本人もやんなきゃいけないなっていうのは、どっかに思っていると思うんですね。得意なほうを一生懸命やって、できあがったころにこっちを振り返ると、あ、けっこうできてるみたいな。

できないものを一生懸命やらされるよりも、できるものを一生懸命やって、たまに振り返って、それでもできなきゃまた他の得意なのやって、のほうが、僕の生き方としてはそのほうがいいんじゃないかなっていう感じはしますね。

見るんだったら新しいものを見たい

(インタビュアー : 全体的に、新しいものがすきっていう感じなんでしょうか。新しいものにすごくオープンな感じがします)

新しいものは好きですよね。古いものが嫌いっていうわけではないですけれど、それは安全パイとして自分の中に残しておけばいいんじゃないかなと。見るんだったら、知らないものとか、新しいものとかってものを見たいです。

たとえばこの商店会のホームページを、ずいぶん後から見たんですよ。ああ、ずいぶん皆さんすごいこと書いてあるんだなって。ええ、どうしようかと思って。びっくりしちゃって。

じゃなんか一生懸命考えようかなって思っても、考えても何もでてこない。そういうのをまとめる部分とか、インターネットの色んな方法だとか、そういうのは逆に言えば興味ありますよね。

外部のスタイリストさんにも、場所を使っていただければ、とおっしゃる石山さん。とにかくいろんなことにオープンマインドでお話してくださる姿がとても印象的でした。

血管のうち、大動脈や大静脈は1%で、あとの99%は全部毛細血管、そこにいかに血液を流せるかで白髪をはじめ、老化の度合いが変えられるから、血管を強くすると言われるスパイスを利益ほぼなしで販売する。

血管から抗老化を考えるお話は、やっぱり美容の専門家さんならではだと実感しましたが、スマホの使い方を聞けたりショッピングまで代行されたりと、おおげさではなく、ごくごく自然にお客様によりそい、サービスというよりひとづきあいに限りなく近い温度感に思えます。

スタッフや関わるその人その人のいいところにフォーカスして生かすことを大切に、囚われなく柔軟に考えていらっしゃる石山さん。とにかくお話しやすく、気軽に何でも相談できる雰囲気がとても魅力的な美容室さんでした。

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